暗い世の中を明るく生きる、新しい価値観の構築

 メロンパスは、ステレオタイプな表現に依存しすぎない現代のジャポニズムをベースに、不条理な現代社会と楽しく戦っていける新しい価値観をもたらすアートを生み出しています。

 

 東日本大震災の際、津波の被害を受けて避難所で生活を余儀なくされた子どもたちが『地震ごっこ』や『津波ごっこ』をして遊んでいるという話題がありました。これは地震や津波の怖さや不安を克服するための本能的な行動でした。子どもたちの理解の範疇を遥かに越えた、どうすることもできない衝撃的な出来事を、子どもたち自身の解釈によって安全な形で再現し、自分たちの意思と力によって状況を支配し擬似的に乗り越えることで恐怖や不安を小さくしようとしているのです。メロンパスの作品製作におけるテーマもこれに近く、現実世界の不安や理不尽を乗り越えるために、世の中をより面白くポップな形に変換していくというものです。

 

 ネット社会の現代、コミュニケーションが世界中に広がってゆくのに伴って、さまざまな差別問題にも注目が集まっています。日本では肌の色による差別は比較的少ないと言われていますが、日本人以外の『外国人』という概念に対する差別などはよく問題になっています。特定の国の人をいっしょくたに嫌ったり不信感を抱く人たちもいます。

 

 差別の他にも経済格差や戦争、環境問題など、現代社会にはさまざまな問題が存在しています。こうした世界の姿を新しいスタイルで表現することによって、問題提起に価値を生み出し、社会に良い変化をもたらしたいと考えています。そして新しい価値観の作品がアート史の進展に寄与できるよう、社会や文化の発展に貢献できるよう挑戦していきます。